転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
馬車の音がした!
そして、お父様達の賑やかな声が聞こえる。

「やぁ、君達が噂の双子だね」

お父様のお友達のアリストロ伯爵家当主にそんなことを言われた。

「噂ですか?」

「君達がもっと小さな頃から社交界でも噂になっているよ。見目麗しく女性達を虜にさせるふたりだとね。なるほど、納得だ」

少しふくよかな体型のアリストロ伯爵はウインクをしながら教えてくれた。明るくお茶目な性格みたい。

僕とルイは顔を見合わせる。
まだ社交界デビューはしていないけど、年齢の近い令息達のパーティーなどに呼ばれることはあるし、家族で参加したものもある。
確かにお洒落には気をつけたりしてはいるけど、そんなに噂になるほどかな?

「特に可愛らしい笑顔で甘く優しい言葉をかけてくれると噂だよ」

フフフとアリストロ伯爵は笑っている。

「そうですか?」

ルイがニコリと笑ってとっさにごまかしてくれた。

「……」

アイドルだった前世の頃の癖なのかな。
無自覚だった!
僕達は何を言っていたのかな?
曲の歌詞とか!? ドラマのセリフとか!?
前世の記憶を思い出すの前の小さな頃のことは、記憶があやふやなところがある。
『クスフォードツインズ』の曲のダンスも踊っていたみたいだし…。

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