転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
「おはよう」

「皆おはよう。やっぱり派手だねぇ、この服」

『小悪魔系執事』ノア様と『爽やか系執事』ヘンリー様が入ってきた。

「おはようございます。ノア様、ヘンリー様」

「そうだね。でもふたりとも似合ってるよ」

そう、僕達はこの『特別イベント』の為の衣装を着用し、フラン様命名の『何々系執事』と名前がついている。

それはなぜかというと、遡ること数日前……。

「素晴らしいです!やはり皆様お似合いです!」

「えと、これは燕尾服なの?」

衣装が完成しそれぞれ着用してみた。
5人並んで顔を見合わせる。
『執事喫茶』といえば黒い燕尾服だが、これはグレーの生地が光の加減によってはシルバーのように光沢している。
そして、僕達の髪や瞳の色と同じ色のリボンタイやネクタイ、チェーンタイプのラペルピン等の装飾品が着いている。
やたら煌びやかな5人が並んでいる。

「琉翔くん!これは『麗しの執事達』の衣装を皆の色に合わせてアレンジしたの!」

「麗しの執事達?」

満面の笑みで教えてくれるフラン様。
執事5人がヒロインと恋に落ちる『麗しの執事達』という、フラン様が前世で大好きだった乙女ゲームがあり、各攻略対象の執事達が、『双子の王子様系キャラ』『インテリ眼鏡キャラ』『爽やか元気系キャラ』『小悪魔系キャラ』だったようだ。

そのゲームキャラクター達が着用していた派手な燕尾服というか、アイドル風の衣装のようなものをアレンジして作ったそうだ。

「執事…?え?ローガン様、これは大丈夫なんですか?」

「フフッ。皆様とてもお似合いでございます。『特別イベント』らしいですね。お嬢様方もきっと楽しみにされていると思いますよ」

ローガン様は優しく頷いてくれている。

「まさに麗しの執事様!」

ということで私達は麗しの執事となり、マナお嬢様に気に入っていただけたようでございます。



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