転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
後日、真璃愛がまたピアノのレッスン中に突撃してきた。
今回はミッシェル先生のピアノも聴けて嬉しそうだ。
「素敵……」と何度も繰り返し言っている。
レッスンが終わった頃にお母様がミッシェル先生と真璃愛をお茶に誘っていた。
真璃愛はヴァイオリニストであるお母様のファンでもあるので当然お茶の誘いに飛びついた。
何をしに来たの?って思っていたら、手伝いのお礼を言われて、その後の執事喫茶が順調だという話を聞いた。
僕とルイはそのまま音楽室に残りピアノを弾いていた。
コンコン!
「あ、クレア!どうしたの?」
遠慮がちにドアから顔を覗かせるクレア。
僕はクレアの側に駆け寄った。
今日もふわふわの髪が揺れていて可愛い。
「ルカが読みたいって言っていた本を持ってきたの。あとね、素敵な画集があってね。でもまだ練習中よね?お邪魔だったかしら」
「クレア、もう終わったから大丈夫だよ。僕はシェイラに会いに行く予定なんだ」
ルイが気を利かせてくれて、椅子から立ち上がった。
「まだシェイラの機嫌が直らないんだよね。セリフイベントのおかげで。そんな拗ねてる子猫ちゃんも可愛いんだけどさ」
手をヒラリと振って音楽室を出て行った。
「クレア、こっちにおいで」
僕はクレアの手を引いてピアノの近くの椅子へと連れてきた。
「持ってきてくれてありがとう。クレアはもう読み終わったの?」
「ええ。面白かったわ!」
「この絵も綺麗だね。クレアの好きな風景画だ」
「そうなの!」
ふたりで本や絵を見て、そして僕はピアノを弾き始める。
「あ、私の好きな曲ね」
クレアは目を閉じて聞いている。
夏の優しい風と心地いい音楽が僕達を包む。
クレアと一緒に過ごす、いつものゆったりと流れるこの時間が僕は好きだ。
「……久し振りね、こんな風に過ごすのは」
「そうだね……」
サァッと風がまた入り、クレアの髪もフワリと舞う。
僕は目を細めて君を見つめる。
「ねぇ、ルカ。そういえば、あの紙にはどんな言葉が書いてあったの?」
閉じていた大きな瞳を開いて僕を見るクレア。
「えっ!? そ、それは……」
「え?」
クレアがキョトンとした。
「それは、ま、また今度ね!!」
ピアノのリズムが乱れ、指を止める。
あっ!今はクレアとふたりきり!
告白できるチャンスだった!?
……また今度ねって言っちゃったよ。
どうして僕はこうなんだ。
次こそ!!
ドキドキとする胸の鼓動を落ち着かせながら、僕はまたピアノを弾き始めた。
ザッ!
大きな荷物を持った男が靴音を鳴らし、立ち止まる。
「懐かしいなぁ。さぁて、元気にしているかな」
王都を見渡せる高台からそんなことを呟いてた。
今回はミッシェル先生のピアノも聴けて嬉しそうだ。
「素敵……」と何度も繰り返し言っている。
レッスンが終わった頃にお母様がミッシェル先生と真璃愛をお茶に誘っていた。
真璃愛はヴァイオリニストであるお母様のファンでもあるので当然お茶の誘いに飛びついた。
何をしに来たの?って思っていたら、手伝いのお礼を言われて、その後の執事喫茶が順調だという話を聞いた。
僕とルイはそのまま音楽室に残りピアノを弾いていた。
コンコン!
「あ、クレア!どうしたの?」
遠慮がちにドアから顔を覗かせるクレア。
僕はクレアの側に駆け寄った。
今日もふわふわの髪が揺れていて可愛い。
「ルカが読みたいって言っていた本を持ってきたの。あとね、素敵な画集があってね。でもまだ練習中よね?お邪魔だったかしら」
「クレア、もう終わったから大丈夫だよ。僕はシェイラに会いに行く予定なんだ」
ルイが気を利かせてくれて、椅子から立ち上がった。
「まだシェイラの機嫌が直らないんだよね。セリフイベントのおかげで。そんな拗ねてる子猫ちゃんも可愛いんだけどさ」
手をヒラリと振って音楽室を出て行った。
「クレア、こっちにおいで」
僕はクレアの手を引いてピアノの近くの椅子へと連れてきた。
「持ってきてくれてありがとう。クレアはもう読み終わったの?」
「ええ。面白かったわ!」
「この絵も綺麗だね。クレアの好きな風景画だ」
「そうなの!」
ふたりで本や絵を見て、そして僕はピアノを弾き始める。
「あ、私の好きな曲ね」
クレアは目を閉じて聞いている。
夏の優しい風と心地いい音楽が僕達を包む。
クレアと一緒に過ごす、いつものゆったりと流れるこの時間が僕は好きだ。
「……久し振りね、こんな風に過ごすのは」
「そうだね……」
サァッと風がまた入り、クレアの髪もフワリと舞う。
僕は目を細めて君を見つめる。
「ねぇ、ルカ。そういえば、あの紙にはどんな言葉が書いてあったの?」
閉じていた大きな瞳を開いて僕を見るクレア。
「えっ!? そ、それは……」
「え?」
クレアがキョトンとした。
「それは、ま、また今度ね!!」
ピアノのリズムが乱れ、指を止める。
あっ!今はクレアとふたりきり!
告白できるチャンスだった!?
……また今度ねって言っちゃったよ。
どうして僕はこうなんだ。
次こそ!!
ドキドキとする胸の鼓動を落ち着かせながら、僕はまたピアノを弾き始めた。
ザッ!
大きな荷物を持った男が靴音を鳴らし、立ち止まる。
「懐かしいなぁ。さぁて、元気にしているかな」
王都を見渡せる高台からそんなことを呟いてた。