転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ～一途な恋の音色～

次の日、そんなルイの予想が的中した。

「皆、席に着いてください。特別臨時講師の紹介をします」

先生と一緒にスーツを着た長髪の男性が教室に入ってきた。

「レオ・アスターです。美術教師としてしばらく学園にいることになりました。よろしくお願いいたします」

レオ？
クレアに届く手紙の送り主と同じ名前だ！

「え、レオ？」

僕はドキリとしてクレアを見る。
信じられないといった風に両手を顔の前に当てて驚いた顔をしている。

『え？レオ・アスター様と言えば画家の！？』
『キャア！！あのレオ様！？』

クラスの皆が騒ぎだした。
画家？

臨時の先生は黒板の前から教室の中央まで優雅にコツコツと歩いてきた。
そして、クレアの片手をスッと取り、宝物のように握りしめた。

「私のクレア。会いたかったよ……」

教室に『キャア！』と声が上がる。
担任の先生は『またこのクラスは……』と呟いた。

恐れていたことが起こってしまった。

クレアの『大好きな友達』。
クレアに『愛しているよ』と手紙で伝えた人物。

ここ最近手紙の送り主よりクレアに近づけていると思っていた僕は現実を突き付けられた。

僕はまだクレアとはただの幼馴染みだったということを。