転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ～一途な恋の音色～

２

翌日の早朝、ルイとランニングをして屋敷へと戻り、自分の部屋で着替えたところで部屋の外が騒がしいことに気づく。
すると、僕の部屋の方に誰かが走って近づいてきている足音がした。
確認しようと扉の方に向かうと、勢いよく開いた！

「ルカッ！開けるよ！！」

バンッ！！

「わっ！ルイ！？ どうしたの？屋敷を走るなんて珍しい」

いつも落ち着いているルイがどうしたんだろう。

バタバタバタッ！！

すると、あとから真璃愛とヘンリー様も走って来た。

「え！？真璃愛とヘンリー様！？ こんな時間にどうしたの！？ しかもふたり共、明日の到着じゃなかった！？」

「琉翔！それどころじゃないのよ！！」

「真璃愛？」

「大変なんだよ！ルカ様！！」

只事ではない様子だ。

「とりあえずこちらへ…」

部屋の中へと案内しようとしたら、ルイが僕の両腕をガシッと掴んだ！

「ルカッ！！」

「ッ！？」

「クレアが！！」

「え！？」

「アスター先生の本当の目的はクレアを婚約者として隣国へ一緒に連れて行くことらしいぞ！！」

「隣国へ！？」

「それが今日なのよ！私達、それを伝えに来たの！！」

真璃愛が叫んだ！

「ええ！？ 今日だって！？」

どうして！？

「アスター先生の隣国での仕事の予定が早まったらしい。ルカ！このままでいいのか！？」

真剣な表情のルカに掴まれている両腕に力が籠る。

「いいわけない！！今すぐに王都へ戻る！！」

僕は思いっきり叫ぶ！

「早く行け！！まだ間に合うはずだ！！」

ルイに背中を押された！

「ルカッ！！あと、王都ではルカとあのご令嬢が婚約するのではと噂になっているそうだ」

「は！？ 何で！？」

「きっとクレアも聞いているだろう。そして、クレアの婚約者はアスター先生だという噂も広まっているらしい」

「なっ！？ 行ってくる！！真璃愛、ヘンリー様！伝えに来てくれてありがとう！！」

僕は急いで部屋を飛び出し階段を駆け降りた！
屋敷の外に出ると、クスフォード家の御者であるチャーリーが待っていてくれた。

「ルカ様！お話は伺っています！準備はできておりますのでどうぞ！」

「ありがとう！」