転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ～一途な恋の音色～

２

時は遡り、ルカが屋敷を飛び出したあと……。

「流石よ！琉生！主演男優賞ものよ！！」

「何それ？よく分からないけど、ルイ様って凄いね！！何でもできるの！？本当に起こってることみたいだったよ！！」

「琉生はお芝居が上手ってことよ！！あの迫真の演技！」

「そうそう！迫力があったよね！僕はつい見入ってしまって、思わずセリフが飛んじゃったけど、ルイ様がカバーしてくれたし！」

「まぁまぁ、君達もなかなかのものだったよ」

誉められたルイはまんざらでもないようだ。

「ルイ様とルカ様は朝から運動してるんだね。でもそのあいだに僕とマリアンヌ様も朝早くからこの屋敷で待機できたけどさ」

「今日はいつもより早めにランニングに行ったからルカも不思議に思ってたよ。『このあと用事がある』ってごまかしたけど。王都に行かせるなら早くここを出発させないといけないからね」

「でも琉翔ったらすっかり騙されちゃって。今頃クレア様を思って心配してるでしょうね。ちょっと可哀想だけど……これも可愛いふたりの愛の為ね」

「可哀想だけど可愛いんだ」

ヘンリー様がちょっと首を傾げる。

「そうよ！琉翔はもちろんだけど、クレア様も可愛いし、いい子なのよ！琉翔の好みど真ん中の子って本当に可愛い女の子なのよねぇ」

「マリアンヌ様の正反対の子ね」

「ルイは本当に失礼ね！私だって可愛いわよ！！」

「……」

「ちょっと！？」

「こぉーら！おまえら、脚本が良かったのに決まってんだろーが！」

「……」

「このすぐに会えない距離が愛をさらに盛り上げるんだよ！」

「……」

「しっかし、長かったぜ！これで失敗したらアイツ本当にバカだろ」

「…………」