転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
あとは子供達は馬車での移動で疲れているだろうからと部屋で休むことになった。
でもアスター先生もついてくる。

僕とルイはクレアとシェイラにおやすみの挨拶をする。

シェイラの部屋の前で既にふたりだけの世界。
もう、ルイは本当に人目を気にしないんだから。
シェイラは困っているように見えたけど。

「ルイ!ち、ちょっと…待って!」

シェイラにまた怒られるよ。

そんなふたりを通り過ぎて、僕はクレアの部屋の前で立ち止まる。

「クレア、留学のことはまた話をしよう。疲れてるでしょ? ゆっくり休んでね」

「ありがとう。ルカも長距離を往復してるし、体を休めてね。おやすみなさい」

僕達は見つめ合ったまま動けずにいた。
想いがやっと通じ合ったけど実感があるような、ないような。

クリッとした大きな瞳で僕をジッと見ているクレア。
何を考えてるのかな?
頬もほんのりと赤くなって可愛いな。

……離れられない。
でもそろそろ行かなきゃ。

「じゃあ、また明日ね。おやすみ、僕のクレア」

クレアのおでこにキスをした。

「ルカ……」

ポロリとクレアの瞳から涙が零れて動揺する!

「え!?ご、ごめん!…嫌だったかな?」

「ううん。そうじゃないの。……嬉しいの」

「クレア!」

僕の彼女可愛い!!!
クレアの涙が止まるまでギュッと抱きしめていた。


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