転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~

「今までの話からして、アスター先生とクレア様は長年手紙のやり取りがあったんですね。今の格好からは想像つきませんが、筆まめなタイプなんですね」

ヘンリー様が澪音を見て意外そうな顔をしている。

「そうだ。俺とクレアは『友達』だからな。……何か言いたそうだな、琉翔」

「……本当に?友達なの?」

「あ?何だ?まだ嫉妬してんのか?ハッキリ言え!」

「じゃあ、ここで聞くけど!手紙に『愛しているよ』って書いてあったのはッ!!クレアのことが……好きなんじゃないの?」

部屋の中はシーンと静まり返った。

僕とアスター先生……いや、澪音はお互いに睨み付けるように目を合わせたまま。

ルイ達は顔を見合わせている。

「おまえはクレアの手紙を読んだのか?」

「手紙のその部分だけ見えてしまったんだ。風で手紙が飛んできて、僕の近くに落ちて…」

「それで?」

「僕はずっとあなたがクレアの恋人だと思っていたんだ」

「……それで何年もクレアに気持ちを伝えなかったのか?」

「言えるわけがない!あなたからの手紙を赤い顔をしながら読むクレアに!!恋人から届く手紙を嬉しそうに読んでいるように見えたんだ!!」

「…………バッカヤロー!!!」

「ッ!!?」

「は?」
「え!?」
「!?」

大声とその言葉に皆で驚く。

「それで余計に遠回りしたってことか!? 好きなら奪ってみろ!!」

「ええ!?」

急にキレた!

「あれはなぁ、クレアが好きだった本の登場人物、『王子様』のセリフだよ。子供の頃にアイツが憧れてたんだよ。だから手紙に書いてたんだ」

「……え? 王子様?」



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