転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ～一途な恋の音色～

「おや、こうきたか。フフッ。しかもやっと持ってきたんだね。あとはこちらで必要事項を記入してアリストロ伯爵と話を進めるよ」

「よろしくお願いします」

僕とルイはお父様にお願いした。

「シェイラとクレアにも話をするんだよ」

「僕はシェイラからの了承は獲てます」

当然とばかりにルイが言う。

「まぁ、そうだろうね」

特に驚きもしないお父様。

「えっ！？ ルイ、早ッ！！」

僕だけ驚いている。

「……ルカが遅いだけだよ」

「フフフッ。ルカはサフィアに似て本当に可愛いよね」

「え？僕はお母様似？」

顔はお父様に似てるんだけどと首を傾げた。

「そういえば、学園の音楽祭では新しい音楽を披露したそうだね。ピアノの公演がなければ私も観に行きたかったよ。ミッシェル先生とマシューから話を聞いたよ。学園の生徒達を熱狂させたと。あと、噂にもなっているしね」

「……そうか、本格的に『ツインズ』をデビューさせれば。いや、ピアノと『ツインズ』の公演を合わせるとか……。活動の拠点を拡げることも可能か…」

「ルイ？」

ルイが何か考え始めた。

「ルカ！今までのピアノに加えてボイスレッスンも本格的にやるぞ！！」

「ええ！？」

「もちろんダンスもだ！！行くぞ！！」

書斎の扉を開ける前にルイがピタリと止まりお父様の方を振り向いた。

「僕達は僕達の音楽で隣国に行って見せます！！」

パタンと扉が閉まる。

「それは楽しみだ。ねぇ、マシュー」

「はい。ルイ様とルカ様は未知なる音楽の可能性を秘めています。私もとても楽しみでございます」

「まだ知られざる音色か…。音楽は本当に素晴らしい」

これからの音楽の新しい未来と、愛しい我が子達の成長にラークは優しい瞳で微笑んだ。