転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
恋の音色
1
音楽を好むクスフォード侯爵家には、いろいろな楽器が揃えられていて、中には年代物の楽器も立派な棚にコレクションされている。
僕はよく音楽室に来ていて、今日も作曲をしながら弾いていた。
サァッと窓から初夏の心地いい風が届く。
木々や花がそれぞれの色を纏い、楽しそうに揺れていて、鳥達も歌いながら飛んでいる。
…いいお天気だなぁ。
「切ない音色ですね」
「あ、ミッシェル先生」
「これまでのルカ様の音とは少し違うね」
クスリと微笑みながら近づいてきたのは、クスフォード侯爵家の音楽団でも活躍している音楽家のミッシェル・カランカ様だ。
僕達のピアノの先生でもある。
「……そうですか?」
僕は少し俯きながら返事をした。
「それに作曲の才能も素晴らしいものがある。流石、代々芸術を愛するクスフォード侯爵家のご子息だ」
「いや、そんな……」
確かに今の曲は僕が作ったけど、前世の音楽の影響も大きい。
前世でもピアノを習っていたし。
「今日はお父様とお仕事のお話ですか?」
ピアノのレッスンは明後日のはずだ。
「そうです。今度の演奏会の件でね。……何かあったならいつでも相談してくださいね。君達は私の弟のようにも思っているからね」
「はい…」
「ではまたレッスンの時に」
僕が書いていた楽譜を見ていたミッシェル先生は、楽譜を僕に戻して音楽室を出て行った。
「あの年齢だからこそ奏でられる音かな?」
ミッシェルは銀色の長い髪をなびかせながら歩き、呟いた。
僕はよく音楽室に来ていて、今日も作曲をしながら弾いていた。
サァッと窓から初夏の心地いい風が届く。
木々や花がそれぞれの色を纏い、楽しそうに揺れていて、鳥達も歌いながら飛んでいる。
…いいお天気だなぁ。
「切ない音色ですね」
「あ、ミッシェル先生」
「これまでのルカ様の音とは少し違うね」
クスリと微笑みながら近づいてきたのは、クスフォード侯爵家の音楽団でも活躍している音楽家のミッシェル・カランカ様だ。
僕達のピアノの先生でもある。
「……そうですか?」
僕は少し俯きながら返事をした。
「それに作曲の才能も素晴らしいものがある。流石、代々芸術を愛するクスフォード侯爵家のご子息だ」
「いや、そんな……」
確かに今の曲は僕が作ったけど、前世の音楽の影響も大きい。
前世でもピアノを習っていたし。
「今日はお父様とお仕事のお話ですか?」
ピアノのレッスンは明後日のはずだ。
「そうです。今度の演奏会の件でね。……何かあったならいつでも相談してくださいね。君達は私の弟のようにも思っているからね」
「はい…」
「ではまたレッスンの時に」
僕が書いていた楽譜を見ていたミッシェル先生は、楽譜を僕に戻して音楽室を出て行った。
「あの年齢だからこそ奏でられる音かな?」
ミッシェルは銀色の長い髪をなびかせながら歩き、呟いた。