転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
「真璃愛が絡んでくるよー!」

「フフフッ!」

「見ていたよ。おもしろいね、ふたりとも」

笑い事じゃないよ!

「琉翔が可愛いんだよ。真璃愛は」

「へ?」

「はい、これもどうぞ」

「あ、芋羊羮!ありがとうございます」

メリアーナ様が出してくれた芋羊羮を食べながら、玲お兄ちゃんが言った『可愛い』の意味が分からなくて首を傾げた。


その頃テーブル席では…。

「あんまりルカをいじめないでね、マリアンヌ様」

ルカが呆れた顔をしながら言う。

「……だって、めちゃくちゃ可愛いんだもん!」

「フフッ!」

「あ、シェイラ様、笑い事じゃないですよ!また会えた私の可愛い琉翔が『姉』離れするかもしれないんですから!!」

「妹が可愛いのは分かりますけど…」

クスクス笑うシェイラ。

「『姉』離れ……?」

クレアが不思議そうな顔をする。

「そうよ!誰かのせいでね!」

ジロリとクレアを見るマリアンヌ。

「え?」

「僕の可愛い弟なんだけどね」

「琉生は可愛くないわよね!」

「いいよ、可愛くなくて」

「琉翔の素直さを分けてもらいなよ!」

「僕はこれでいいんだよ。ね、シェイラ」

シェイラを甘く見つめるルイ。

「やってらんないわね!」

クレアはコソリと小さな声で聞いてみた。

「あの…マリアンヌ様はルカのことは『弟』みたいに思っていると?」

「そうよ!小さな頃からとっても可愛い私の『弟』の琉翔はまだあげないわよ!」

「弟…」

賑やかな試食会はクレアの心を少し軽くして終了した。


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