転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
季節は雪が降る日もある寒い冬になった。
ルイとシェイラはより恋人らしく寄り添って、暖炉の前で楽しそうに話をしている。
僕とクレアは少し離れたソファーに座って本を読んでいた。
「また見てる…」
「え?」
クレアがポツリと呟いた。
あの大きな瞳で僕をじっと見ている。
僕は自分の気持ちを隠すようにフィッと顔を横にそむけた。
「っ!お姉様達をよく見てる!」
少し悲しげな表情のクレア。
「私といても…つまらないんでしょう?」
「それはっ!……君の方だろ?」
いつも楽しそうに恋人からの手紙を読んでいるじゃないか!
僕は行き場のないこの想いをどうすることもできない。
クレアを好きな気持ちは大きくなるばかりなのに!!
君に恋人がいても、それでも君の近くにいる。
幼馴染みという距離から離れたくない僕はバカみたいだ!
「君には……!」
僕達の様子に気づいたルイとシェイラはチラリとこちらを見たあと、部屋を出て行った。
気を使ってくれたみたいだ。
パチパチと暖炉から音がする。
部屋にはふたりだけだ。
「よく見てるのはルカじゃない!どうせ私なんて……ルカに嫌われているんでしょ!?」
「……え?」
どうして?
「だって!目が合うとすぐそらすし!」
「それはっ!」
僕の気持ちを隠したいから。
「前はダンスだって踊ってくれたのに!今は……」
「っ!」
ますます魅力的になるクレアとあんなに近くで踊れないよ!
これ以上好きになってしまう!
「私の前だとそんな態度なのに、他の人だと違うし!」
「え?」
何が違うんだろ?
「お姉様のほうが綺麗だし!」
「へ? シェイラ? 綺麗だけど……」
急にシェイラの話になった?
「…………」
クレアは俯いたまま黙ってしまった。
僕はクレアに近づいて声をかける。
「クレア?」
顔を上げてキッと僕を睨んだ。
「……嫌い! 大嫌いよ!ルカなんて!!」
「なっ!」
ええ!? 嫌われた!!
恐ろしいことを言って部屋を出て行こうとする。
僕は慌ててクレアの腕を掴んだ。
「待って!」
クルリと向きを変えて僕を見たクレアがまた違うことを言う。
「……羨ましいんでしょ? ルイが」
「え?」
また急に話が飛んだ?
「前にふたりを見て言ってた」
わー!聞かれてた!
あのふたりがいつも仲が良すぎて羨ましかったから!
つい声に出てたんだ!
僕はカァッと顔を赤くした。
「やっぱり……!」
クレアは僕の手を振り払って部屋を出て行ってしまった。
「ええ?クレア!?」
僕は何が起こったのかよく分からず、払われた手をそのままに閉まったドアをただ見つめていた。
ルイとシェイラはより恋人らしく寄り添って、暖炉の前で楽しそうに話をしている。
僕とクレアは少し離れたソファーに座って本を読んでいた。
「また見てる…」
「え?」
クレアがポツリと呟いた。
あの大きな瞳で僕をじっと見ている。
僕は自分の気持ちを隠すようにフィッと顔を横にそむけた。
「っ!お姉様達をよく見てる!」
少し悲しげな表情のクレア。
「私といても…つまらないんでしょう?」
「それはっ!……君の方だろ?」
いつも楽しそうに恋人からの手紙を読んでいるじゃないか!
僕は行き場のないこの想いをどうすることもできない。
クレアを好きな気持ちは大きくなるばかりなのに!!
君に恋人がいても、それでも君の近くにいる。
幼馴染みという距離から離れたくない僕はバカみたいだ!
「君には……!」
僕達の様子に気づいたルイとシェイラはチラリとこちらを見たあと、部屋を出て行った。
気を使ってくれたみたいだ。
パチパチと暖炉から音がする。
部屋にはふたりだけだ。
「よく見てるのはルカじゃない!どうせ私なんて……ルカに嫌われているんでしょ!?」
「……え?」
どうして?
「だって!目が合うとすぐそらすし!」
「それはっ!」
僕の気持ちを隠したいから。
「前はダンスだって踊ってくれたのに!今は……」
「っ!」
ますます魅力的になるクレアとあんなに近くで踊れないよ!
これ以上好きになってしまう!
「私の前だとそんな態度なのに、他の人だと違うし!」
「え?」
何が違うんだろ?
「お姉様のほうが綺麗だし!」
「へ? シェイラ? 綺麗だけど……」
急にシェイラの話になった?
「…………」
クレアは俯いたまま黙ってしまった。
僕はクレアに近づいて声をかける。
「クレア?」
顔を上げてキッと僕を睨んだ。
「……嫌い! 大嫌いよ!ルカなんて!!」
「なっ!」
ええ!? 嫌われた!!
恐ろしいことを言って部屋を出て行こうとする。
僕は慌ててクレアの腕を掴んだ。
「待って!」
クルリと向きを変えて僕を見たクレアがまた違うことを言う。
「……羨ましいんでしょ? ルイが」
「え?」
また急に話が飛んだ?
「前にふたりを見て言ってた」
わー!聞かれてた!
あのふたりがいつも仲が良すぎて羨ましかったから!
つい声に出てたんだ!
僕はカァッと顔を赤くした。
「やっぱり……!」
クレアは僕の手を振り払って部屋を出て行ってしまった。
「ええ?クレア!?」
僕は何が起こったのかよく分からず、払われた手をそのままに閉まったドアをただ見つめていた。