転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ～一途な恋の音色～

２．クレアside

自分の部屋へ走り扉を勢いよく閉める！

「はぁ、はぁ……！」

扉にトンッと背中をつけて寄り掛かり、ポツリと呟く。

「やっぱりルカはお姉様が好きなのね……」

我慢していた涙がポロリと溢れた。
ずっと、ずっとそうなんじゃないかと思っていた！
お姉様とルイの方をよく見ているし、さっ　きは真っ赤になっていたわ。
羨ましいって言っていたものね。

とても綺麗で優しい私のお姉様。
皆が好きになるのも分かるわ。
ルカだって好きになってしまうわよね…。
でもお姉様はルイと恋人同士。
ルカはつらい恋をしているのね…。

読書が趣味の私に、ルカはよく本を持ってきてくれる。
その本がとてもおもしろくて、そしてルカに早く感想を伝えたくて、私はいつも夢中で読んでしまう。
そのあとは、私もおすすめの本を、ルカが好きそうなものを時間をかけて選ぶわ。
一緒にいてもお互いに本を読んだりする時もあるけど、つまらないのかな…。
子供の頃から４人で会うたびにルイとお姉様、ルカと私が一緒に遊ぶ流れになっていたけど、ルカは嫌だったのかな。

私とルカは小さな頃に会ったことがある。
ルカは覚えていないみたいだけど、その頃からルカは私の王子様だった。
名前も知らないままだったその人に再会したときは本当に嬉しかった！

一緒に庭園を散歩して、私の髪に薔薇を飾ってくれた。
お誕生日をお祝いしてくれた。
本の話をたくさんした。
ピアノも弾いてくれたわ。
チョコレートをお互いにプレゼントした。
そして、ダンスを一緒に踊ってくれた…。
幼馴染みとして過ごせる日々がどれも大切な思い出。
毎日あなたを好きになるわ。

でもお姉様を見ていると分かることが多くなってからは…。

大きな鏡の前に移動し自分を見る。
……やっぱりお姉様のように大人っぽい人がルカの好みなのかしら。
お姉様はお母様似、私はお父様似なのよね…。
この髪色？瞳の大きさ？洋服の趣味の違い？
私は可愛いものが好きでよく着ている。
鏡の前で髪を摘まんだり、顔を触ったり、レースのスカートを広げてみたりしてからため息をついた。

「もう少し大人っぽいドレスを買いに行こう」