転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ～一途な恋の音色～

３

僕はイチオシ堂に来ていて、落ち込んでいる僕を見て玲お兄ちゃんとメリアーナ様がお店の奥に通してくれた。

「どうぞ」

メリアーナ様が抹茶ラテを出してくれた。
僕の好きな抹茶だ。

「ありがとうございます」

美味しい。
そして、体が温まってホッとする。

チラリと僕の前のソファーに座っている玲お兄ちゃんを見ると優しい瞳で僕を見ていた。
今日はストライブ侯爵家のお仕事だったのかな。
スーツをビシッと着こなしてて大人っぽくて格好良い！
玲お兄ちゃんも転生者だから前世寄りの洋服を好んでいる。

「……何で怒ってるのかな？クレアは」

「もっとクレア様を見ていれば分かると思うよ」

「もっとクレアを……」

僕は顔が赤くなった！

「そろそろルカの気持ちを伝えたらいいんじゃないかな？」

カァァッとまた顔が赤くなる。

「でもクレアには……」

その時、僕達がいるお店の奥の部屋にひとりの男の人が入ってきた。

「ふぅーん。クスフォード侯爵家の王子様なんて呼ばれててもそんな感じなんだぁ」

「っ！」

玲お兄ちゃんと同じ、濃い茶色の髪と濃い紫色の瞳で、幼い顔立ちの人だ。

「ノア！」

「レイお兄様ごめんなさい。お店にいなかったからこちらに来てしまいました」

サッと玲お兄ちゃんの隣に座って腕に抱きついている。
どう見ても弟さんだよね。

「ごめんね。私の弟のノアだ。ルカと同じ１４歳だよ」

「ノア・ストライブです。もうすぐ同じ学園に入学ですね。よろしくお願いいたします」

可愛い顔でニコリと笑うノア様だけど、なんだか目が笑っていないような…。

「ルカ・クスフォードです。よろしくお願いいたします」