転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ～一途な恋の音色～

「あのクレア様の王子様でしょ？知ってるよ」

「え！？ あのクレアの王子様！？」

「アリストロ伯爵家のご令嬢達にお近づきになりたい男はたくさんいるけど、クスフォード侯爵家の王子様達が守ってるって噂だよ」

「そんな噂があるんだ……」

やっぱりクレアってモテるんだな。
…ケンカしてる場合じゃない！！

「僕、そろそろ帰ります！」

慌てて立ち上がる。

「あ、送りますね」

メリアーナ様も立ち上がって僕の近くへとゆっくりと歩いてきた。

「メリィ！大事な身体なんだから気をつけて！」

玲お兄ちゃんが僕以上に慌てて立ち上がって、メリアーナ様を抱きしめる。

「クスクス。すぐそこまでなのに」

キュッと玲お兄ちゃんの腕を両手で掴んで嬉しそうなメリアーナ様。

「え！？ もしかして？」

「そうなんだ。メリィと私の子供が生まれるんだよ」

蕩ける笑顔で教えてくれた玲お兄ちゃん！
ひゃー！照れるな！！
そういえば今日のメリアーナ様はフワリとしたドレスを着ている。

「玲お兄ちゃん、メリアーナ様、おめでとう！」

「ありがとう」

また嬉しそうな顔をする玲お兄ちゃんとメリアーナ様。
幸せそうだ！

「まだ先の話なのに、心配性なんだから……」

メリアーナ様もそんなことを言いつつイチャイチャしてる。

「レイ様のスーツ姿何度見ても格好いい！」

なんてことも言っている。

これ以上は目に毒だ！
僕はまた顔が赤くなった。

気づくといつの間にかノア様はお店の奥の部屋からいなくなっていた。