転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
5
王都の街から学園まで戻ってきた。
もう今日の授業は終わっていて、学園に残っている生徒も少ない。
ルイとシェイラは教室で待っていてくれているはずだ。
クレアと一緒に教室へと向かう。
僕はガチャリと教室の扉を開けたあと、素早く閉めた!!
見てはいけないものを見てしまった!!
でも僕のうしろにいたクレアには見えていなかったようだ。
「え?どうしたの?」
不思議そうにしているクレアに説明に困る僕。
誰もいない教室で、ルイがシェイラを抱きしめてキスをしていたなんて!!
僕に背中を向けていたからシェイラは僕に気づかなかったけど、ルイとは目がバッチリと合った。
「えーっと、今は……」
とりあえず、教室から離れようとしたら扉が開いた。
「ふたり共お帰り。待ってたよ」
ニコリと笑うルイのうしろでは顔を両手で隠して俯いているシェイラのうしろ姿が見えた。
「あ、クレア。可愛いお花だね」
クレアの髪に飾ったお花を見て、何もなかったかの如く普通に話をするルイ。
ごめんね、シェイラ。
僕、教室に戻るタイミングが悪かったね…。
「……今日は別々に帰ろう」
いつもはクスフォード侯爵家の馬車に4人乗って登下校しているが、アリストロ伯爵家の馬車も念の為に学園に来てくれているのだ。
「ええ?なんで!?」
大袈裟な仕草で驚くルイ。
「……分かるだろ!?」
両家の馬車のところに着くと、シェイラがクレアの手をサッと繋いでアリストロ伯爵家の馬車に乗った。
「え!? お姉様!?」
プイッと口も聞かずにシェイラは帰ってしまった。
怒ってるね…シェイラ。
でも別々に帰るつもりだったけど、この組み合わせ?
アリストロ家の馬車は走り去り、僕達はポツンと立っていた。
「ルイ……ほどほどにね」
僕はジトリとルイを見てポツリと呟く。
「うーん。これでも抑えているんだけどなぁ」
そんなことを言うルイにため息をつき、アリストロ家の馬車を見送る。
「ルイ様、ルカ様、どうぞ」
クスフォード家の御者のチャーリーがニコリと微笑みながら馬車の扉を開けてくれていた。
「でも今日はありがとう。ルイがいなかったらクレアに本気で嫌われるところだったよ」
「で?クレアに気持ちを伝えたの?」
「いや…まだだけど」
「何で?」
「手紙の送り主が少し気になるんだ……」
「クレアに手紙を送ってくる人?」
「うん。いつも頬を赤くして嬉しそうに手紙を読んでいるんだ」
「でもその人だって友達なんでしょ?」
「…………」
『とても大好きな人』だと言っていたなんて言いたくない。
『愛しているよ』の手紙の文字のことも。
それに、クレアが流した涙。
泣かせたくなかったのに、泣いてしまった…。
指を顎に添えて黙り混んだ僕にルイがため息をつく。
「あんなにルカしか見てないのになぁ」
「え?」
馬車の音でよく聞こえなかった。
「いーや、何でもないよ。で、フラン様はどうするの?」
「……明日話をしてみるよ」
「そっか。でも僕達の元子猫ちゃんが同じクラスになるとはね」
ルイが苦笑する。
「とても応援してくれてたみたいだね。それは嬉しいけど、まさかこの世界で知り合うとはね」
「前世の僕達のあの写真からファンになってくれたみたいだな」
「僕が写真家さんの要求にうまく対応できなくて困ってたときの写真……」
僕は考えるときに顎に手を添える癖がある。
あのときもうまくできなくて、どうしたらいいか考えててそのままルイに寄り掛かってたんだよね。
その時の表情のうちの1枚だったんだけど、写真家さんってすごいな。
その写真でファンが増えたもんね。
世界を越えてまでその写真のことを聞くとは!
もう今日の授業は終わっていて、学園に残っている生徒も少ない。
ルイとシェイラは教室で待っていてくれているはずだ。
クレアと一緒に教室へと向かう。
僕はガチャリと教室の扉を開けたあと、素早く閉めた!!
見てはいけないものを見てしまった!!
でも僕のうしろにいたクレアには見えていなかったようだ。
「え?どうしたの?」
不思議そうにしているクレアに説明に困る僕。
誰もいない教室で、ルイがシェイラを抱きしめてキスをしていたなんて!!
僕に背中を向けていたからシェイラは僕に気づかなかったけど、ルイとは目がバッチリと合った。
「えーっと、今は……」
とりあえず、教室から離れようとしたら扉が開いた。
「ふたり共お帰り。待ってたよ」
ニコリと笑うルイのうしろでは顔を両手で隠して俯いているシェイラのうしろ姿が見えた。
「あ、クレア。可愛いお花だね」
クレアの髪に飾ったお花を見て、何もなかったかの如く普通に話をするルイ。
ごめんね、シェイラ。
僕、教室に戻るタイミングが悪かったね…。
「……今日は別々に帰ろう」
いつもはクスフォード侯爵家の馬車に4人乗って登下校しているが、アリストロ伯爵家の馬車も念の為に学園に来てくれているのだ。
「ええ?なんで!?」
大袈裟な仕草で驚くルイ。
「……分かるだろ!?」
両家の馬車のところに着くと、シェイラがクレアの手をサッと繋いでアリストロ伯爵家の馬車に乗った。
「え!? お姉様!?」
プイッと口も聞かずにシェイラは帰ってしまった。
怒ってるね…シェイラ。
でも別々に帰るつもりだったけど、この組み合わせ?
アリストロ家の馬車は走り去り、僕達はポツンと立っていた。
「ルイ……ほどほどにね」
僕はジトリとルイを見てポツリと呟く。
「うーん。これでも抑えているんだけどなぁ」
そんなことを言うルイにため息をつき、アリストロ家の馬車を見送る。
「ルイ様、ルカ様、どうぞ」
クスフォード家の御者のチャーリーがニコリと微笑みながら馬車の扉を開けてくれていた。
「でも今日はありがとう。ルイがいなかったらクレアに本気で嫌われるところだったよ」
「で?クレアに気持ちを伝えたの?」
「いや…まだだけど」
「何で?」
「手紙の送り主が少し気になるんだ……」
「クレアに手紙を送ってくる人?」
「うん。いつも頬を赤くして嬉しそうに手紙を読んでいるんだ」
「でもその人だって友達なんでしょ?」
「…………」
『とても大好きな人』だと言っていたなんて言いたくない。
『愛しているよ』の手紙の文字のことも。
それに、クレアが流した涙。
泣かせたくなかったのに、泣いてしまった…。
指を顎に添えて黙り混んだ僕にルイがため息をつく。
「あんなにルカしか見てないのになぁ」
「え?」
馬車の音でよく聞こえなかった。
「いーや、何でもないよ。で、フラン様はどうするの?」
「……明日話をしてみるよ」
「そっか。でも僕達の元子猫ちゃんが同じクラスになるとはね」
ルイが苦笑する。
「とても応援してくれてたみたいだね。それは嬉しいけど、まさかこの世界で知り合うとはね」
「前世の僕達のあの写真からファンになってくれたみたいだな」
「僕が写真家さんの要求にうまく対応できなくて困ってたときの写真……」
僕は考えるときに顎に手を添える癖がある。
あのときもうまくできなくて、どうしたらいいか考えててそのままルイに寄り掛かってたんだよね。
その時の表情のうちの1枚だったんだけど、写真家さんってすごいな。
その写真でファンが増えたもんね。
世界を越えてまでその写真のことを聞くとは!