転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ～一途な恋の音色～

２．恋バナ

「お帰りなさいませ。お嬢様」

すっかりハマってしまった執事喫茶『カラー』で、今日は３人でお茶会をする予定。
ここは小さいながらも庭園があり、テラス席でも美味しいアフタヌーンティーが楽しめる。

そして、お気に入りの執事ローガン様は今日も大人の魅力に溢れている。
茶色の長い髪はうしろでひとつに結ばれており、細い金のフレームの眼鏡もお洒落でお似合いだ。

「今日も素敵だわ…」

ローガン様特製のオリジナルブレンドティーの香りを楽しみながらゆっくり味わう。

「真愛璃様の好みのタイプは年上の男性なのですね」

今はお屋敷(店内)にいるローガン様をチラリと見ながらマナちゃんが聞く。

「そうなの。同年代にはない大人の落ち着き、何でも受けとめてくれるような優しい眼差しが魅力的なのよね」

私もチラリとローガン様を見て、ホゥとため息をつく。

「あの、琉翔くんのタイプはクレア様のような女の子ですか？」

「え、いいの？言っても。琉翔のファンなんでしょ？」

「琉翔くんは私にとってはやっぱり『アイドル』なのです。応援したいのです！推しが幸せなのが一番なのです！」

「そういうものなんだ」

「はい！」

「クレア様はまさに琉翔のタイプね。綺麗な長い髪、パッチリとした大きな瞳、小柄で大人しそうでいかにも『女の子』っていう感じが」

琉生には私が子供の頃から琉翔を構いすぎるから、琉翔は私と真逆のタイプが好きなんだよと言われたことがあったわ。

「そうなのですね。では噂通りに琉翔くんの彼女はクレア様で、婚約間近なのですね」

「…まだ付き合ってはいないわよ」

「え！？あんなにクレア様を甘く見つめているのに！？」

「琉翔の不器用なところがまた可愛いのよね」

そんな話題の人が到着したようだ。