愛人家
「──本日未明、身元不明の二人の男女が〇〇山の麓で発見されました。奇声を上げて暴れていた所を近所の人に取り押さえられ、近くの病院に搬送されております。二人の特徴は小太りの白髪、年齢は60〜70代と見られており、警察では身元の確認を急いでいます」
「人を捨てるなんて可哀想に、愛子はそんな人間になってはダメだよ?」
「うん」
「ところで今日は近くの大型デパートに行くけど、愛子は他に行きたい所はあるかい?」
「うーん、特にないかな」
「分かった。ご飯を食べて着替えたらすぐに行こうか」
「うん」
わたしはこの時すっかり忘れていた。パパが大の人間好きなことを。
「人を捨てるなんて可哀想に、愛子はそんな人間になってはダメだよ?」
「うん」
「ところで今日は近くの大型デパートに行くけど、愛子は他に行きたい所はあるかい?」
「うーん、特にないかな」
「分かった。ご飯を食べて着替えたらすぐに行こうか」
「うん」
わたしはこの時すっかり忘れていた。パパが大の人間好きなことを。