愛人家
「じゃあ、義体が傷付いただけで、パパ自身には怪我はないんだね?」
「ああ。パパ自身はなんともないよ。言ったでしょう、僕は大丈夫だからって」

 そうは言っても何も知らなかったのだから、あれは誤解する言い方だ。パパに何もないならよかった……。

「あと、僕にとってはラッキーな状態なんだよね」
「ラッキー?」
「ここにいれば人間にお世話してもらえるんだろう? それも色んな人に。そう考えると僕にはご褒美だよ」

 ウキウキとしたパパの姿に院長は唖然とし、わたしは大きな溜め息をついた。
 わたしの心配を知らずにこの状況を喜ぶなんて、本当にパパは大の人間好きだ。

終わり
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