「大好き♡先輩、お疲れ様です♡」溺愛💕隣りのわんこ系男子!
第1話 先輩お疲れ様です♡1
会社の後輩クンが「お疲れ様です」とポカリスエットと珈琲に麦茶まで私にくれた。
「こ、こんなに? あっ……お疲れ様。ありがとう」
戸惑いながらも後輩クンから麦茶一本だけを受け取り、お返しにチョコがけのバウムクーヘン(個装入り)を渡す。
「全部、野坂先輩にあげるつもりで買って来たんで貰ってやってください。お菓子、ありがとうございます」
後輩クン、……城ヶ崎君は私のデスクにドリンク三本を揃えて載せた。
その時に見えた腕はワイシャツを捲くっていて、私の疲れた目に否応なしに飛び込んできた。
……城ヶ崎君の腕の筋肉にドキッとさせられる。
やだっ、私は疲れているから、癒やしを求めて過剰に反応しちゃってるんだ、きっと。たぶん、そう。
あんな腕で、腕枕されたいとか守られたいとかあらぬ妄想を抱くのは、仕事がなかなか終わらないから。……夕方に押し付けられた飛び込み業務が忙しいせいよっ。
うーん。
チラッ。また見ちゃう。
同じ部署の後輩の城ヶ崎君……、意外に鍛えてるのか逞しかった。
城ヶ崎君の腕を見てドキドキするなんて、私ってば腕フェチだったかしら!?
チラ見せ効果?
普段は几帳面で真面目でくだけない性格の城ヶ崎君。だからか、いつでもかっちりスーツ着てるもんね。
腕捲くりとは珍しい。
「いいのに。でも、ありがと」
「……今、僕の腕じっと眺めて品定めしてませんでしたか?」
「あっ、ああ。ごめんっ。城ヶ崎君って顔が童顔で可愛いのに腕は意外と筋肉あるな〜って見惚れてしまっただけ。――ハッ。ごめん! 失礼だったよね」
城ヶ崎君は急に真顔になった。
残業時間中のオフィスには私と城ヶ崎君の二人きり。
変な雰囲気になっています。
「あの人には負けたくないんで」
「……あの人?」
「野坂先輩の元カレ」
うわあっ、バレてたんだ。
やだなあ、恥ずかしい。
私は同期の中山君と付き合っていた。
彼は学生時代にラグビーをしていた名残りからか筋トレ好きで、いつでも365日体を鍛えているマッチョ体型だ。
私が中山君と別れたのは通ってるジムのトレーナーと中山君が二股して付き合い出したからで。
ついでに恥ずかしながら、私は持病の喘息もあってあまり運動が得意ではないの。
プールに週一で行くぐらいかな。
彼氏も居なくなっちゃったし、リフレッシュと暇つぶしも兼ねて。
「野坂先輩って。改めて聞きますけど、健康的でムキムキな体の男が好きってことですか?」
「ええっ? いいや、あのね。私がときめく男性のタイプは……。体は、体型は特に重要ではなく……。ただ楽しそうだったからかな」
「楽しそう?」
「元気いっぱいで、仕事バリバリこなして風邪一つひかない強い体と免疫力。付き合ったのは、彼のそういうとこがまぶしくて。私には無いもの持ってたからかなあ〜」
「あんな浮気した奴より、僕を見てくださいっ」
きゅ、急に城ヶ崎君が凛々しく見えた。
しかも……。
グイグイ来るんですけど!
「ま、待ってよ。近すぎ! 城ヶ崎君、やけに距離が近くない?」
城ヶ崎君はオフィスチェアに座る私の横に立ち、顔を覗き込んでくる。
――これはいわゆる、ギャップ萌え?
普段と今の態度に差がありすぎやしませんか?
いつもじゃない城ヶ崎君の顔を発見して、ドギマギ戸惑う。
私の心臓がうるさい、打つ鼓動が早い。
「わた、わた、私、あんまり恋愛がっ。恋愛下手なの、上手く立ち回れないからこんなん困るよ、城ヶ崎君」
「今まで付き合ったのは中山さんだけですか?」
「うっ……、うん」
ホッとした顔、からのちょっと意地悪な笑顔が城ヶ崎君のいつもの印象をガラリと変える。
「僕、やだ。イヤです。野坂先輩には僕だけが良かったのに。もっと早くに出会っていれば」
「ええっ。そ、そんな事を言われましても……。だって」
「僕は野坂先輩が好きです! これからは僕だけを見てください。そばにいるのを許すのは僕だけにしてください」
ドキドキドキ……。真正面からこんなに真っ直ぐな瞳で一途な思いを告げられて。
こんなのズルい。
こんなの生まれて初めてで。
なんとなくどちらからともなく自然に、一緒に過ごす時間が多くなって付き合い出した中山君とはあまりにも違う。
好きだって僕だけを見てくれだなんて!
城ヶ崎君って、可愛いわんこ系に思わせといて実は狼なワイルド系なの?
ふわっと優しく抱きしめられちゃった。
城ヶ崎君からの気遣いたっぷりの抱擁は、休日前夜に被さる羽根布団みたいな心地良さとエアリーさ。
あったかくて、柔らかい。
でも、ぎゅっとかきつくも抱きしめられたくなる。
あわわわわっ、何を考えちゃってんだろう、私。
「先輩、僕と――。僕と付き合ってくれたら嬉しいなあ、野坂先輩」
男らしく告白してくれた城ヶ崎君だったが、今は私を抱きしめたあとに「今度は先輩が僕を抱きしめてくださ〜い」とか甘えてくる。
彼は急にグイグイ迫ってきたり可愛く甘えてきたり、予想がつかない。
だめだ!
私、城ヶ崎君に翻弄されるうちに、大好きになって付き合ってしまいそう。
「こ、こんなに? あっ……お疲れ様。ありがとう」
戸惑いながらも後輩クンから麦茶一本だけを受け取り、お返しにチョコがけのバウムクーヘン(個装入り)を渡す。
「全部、野坂先輩にあげるつもりで買って来たんで貰ってやってください。お菓子、ありがとうございます」
後輩クン、……城ヶ崎君は私のデスクにドリンク三本を揃えて載せた。
その時に見えた腕はワイシャツを捲くっていて、私の疲れた目に否応なしに飛び込んできた。
……城ヶ崎君の腕の筋肉にドキッとさせられる。
やだっ、私は疲れているから、癒やしを求めて過剰に反応しちゃってるんだ、きっと。たぶん、そう。
あんな腕で、腕枕されたいとか守られたいとかあらぬ妄想を抱くのは、仕事がなかなか終わらないから。……夕方に押し付けられた飛び込み業務が忙しいせいよっ。
うーん。
チラッ。また見ちゃう。
同じ部署の後輩の城ヶ崎君……、意外に鍛えてるのか逞しかった。
城ヶ崎君の腕を見てドキドキするなんて、私ってば腕フェチだったかしら!?
チラ見せ効果?
普段は几帳面で真面目でくだけない性格の城ヶ崎君。だからか、いつでもかっちりスーツ着てるもんね。
腕捲くりとは珍しい。
「いいのに。でも、ありがと」
「……今、僕の腕じっと眺めて品定めしてませんでしたか?」
「あっ、ああ。ごめんっ。城ヶ崎君って顔が童顔で可愛いのに腕は意外と筋肉あるな〜って見惚れてしまっただけ。――ハッ。ごめん! 失礼だったよね」
城ヶ崎君は急に真顔になった。
残業時間中のオフィスには私と城ヶ崎君の二人きり。
変な雰囲気になっています。
「あの人には負けたくないんで」
「……あの人?」
「野坂先輩の元カレ」
うわあっ、バレてたんだ。
やだなあ、恥ずかしい。
私は同期の中山君と付き合っていた。
彼は学生時代にラグビーをしていた名残りからか筋トレ好きで、いつでも365日体を鍛えているマッチョ体型だ。
私が中山君と別れたのは通ってるジムのトレーナーと中山君が二股して付き合い出したからで。
ついでに恥ずかしながら、私は持病の喘息もあってあまり運動が得意ではないの。
プールに週一で行くぐらいかな。
彼氏も居なくなっちゃったし、リフレッシュと暇つぶしも兼ねて。
「野坂先輩って。改めて聞きますけど、健康的でムキムキな体の男が好きってことですか?」
「ええっ? いいや、あのね。私がときめく男性のタイプは……。体は、体型は特に重要ではなく……。ただ楽しそうだったからかな」
「楽しそう?」
「元気いっぱいで、仕事バリバリこなして風邪一つひかない強い体と免疫力。付き合ったのは、彼のそういうとこがまぶしくて。私には無いもの持ってたからかなあ〜」
「あんな浮気した奴より、僕を見てくださいっ」
きゅ、急に城ヶ崎君が凛々しく見えた。
しかも……。
グイグイ来るんですけど!
「ま、待ってよ。近すぎ! 城ヶ崎君、やけに距離が近くない?」
城ヶ崎君はオフィスチェアに座る私の横に立ち、顔を覗き込んでくる。
――これはいわゆる、ギャップ萌え?
普段と今の態度に差がありすぎやしませんか?
いつもじゃない城ヶ崎君の顔を発見して、ドギマギ戸惑う。
私の心臓がうるさい、打つ鼓動が早い。
「わた、わた、私、あんまり恋愛がっ。恋愛下手なの、上手く立ち回れないからこんなん困るよ、城ヶ崎君」
「今まで付き合ったのは中山さんだけですか?」
「うっ……、うん」
ホッとした顔、からのちょっと意地悪な笑顔が城ヶ崎君のいつもの印象をガラリと変える。
「僕、やだ。イヤです。野坂先輩には僕だけが良かったのに。もっと早くに出会っていれば」
「ええっ。そ、そんな事を言われましても……。だって」
「僕は野坂先輩が好きです! これからは僕だけを見てください。そばにいるのを許すのは僕だけにしてください」
ドキドキドキ……。真正面からこんなに真っ直ぐな瞳で一途な思いを告げられて。
こんなのズルい。
こんなの生まれて初めてで。
なんとなくどちらからともなく自然に、一緒に過ごす時間が多くなって付き合い出した中山君とはあまりにも違う。
好きだって僕だけを見てくれだなんて!
城ヶ崎君って、可愛いわんこ系に思わせといて実は狼なワイルド系なの?
ふわっと優しく抱きしめられちゃった。
城ヶ崎君からの気遣いたっぷりの抱擁は、休日前夜に被さる羽根布団みたいな心地良さとエアリーさ。
あったかくて、柔らかい。
でも、ぎゅっとかきつくも抱きしめられたくなる。
あわわわわっ、何を考えちゃってんだろう、私。
「先輩、僕と――。僕と付き合ってくれたら嬉しいなあ、野坂先輩」
男らしく告白してくれた城ヶ崎君だったが、今は私を抱きしめたあとに「今度は先輩が僕を抱きしめてくださ〜い」とか甘えてくる。
彼は急にグイグイ迫ってきたり可愛く甘えてきたり、予想がつかない。
だめだ!
私、城ヶ崎君に翻弄されるうちに、大好きになって付き合ってしまいそう。
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