「大好き♡先輩、お疲れ様です♡」溺愛💕隣りのわんこ系男子!
第21話 「先輩、お疲れ様です♡」11
旅館の部屋の前まで城ヶ崎君が送ってくれて――。
お姫様抱っこはここでおしまい。
はあ〜なんだ、残念……。
残念……って私、思っちゃってるっ?
夢うつつで気持ち良かった、城ヶ崎君のお姫様抱っこ。
ぴたっとくっついてた城ヶ崎君があったかくて男らしくって。
城ヶ崎君の力強さが安心感をくれてる。
守られて甘やかされてとろとろに蕩けそうだった。
「おやすみ、先輩」
「きゃっ……」
城ヶ崎君からおでこに落とされる口づけが私の心にドキドキの熱をくれる。
帰りたくない、なあ。
もっと城ヶ崎君と一緒にいたい。
離れるのは……さびしい。
思わず城ヶ崎君の浴衣の袖をつまんでしまい、気づいてパッと手を離す。
「……あっ。ごめん」
「……先輩?」
心なしか、じっと見てくる城ヶ崎君の顔がにまにまクスクスと笑っているような。
夜中が近いから笑い声、控えめでこらえてる?
背の高い城ヶ崎君からの優しい視線が頭上から注がれて、くすぐったい。
……ドキドキ。
旅行マジックなのか、お酒のせい?
私、人恋しくって、城ヶ崎君が恋しい。
……城ヶ崎君からの温もりが欲しいの。
とか、なんたる恥ずかしいこと思っちゃってるの〜、私!
私がほっぺたを両手で抑えて悶えていると、城ヶ崎君が私の手首を掴んでくる。
「可愛い……。先輩、ころころ表情が変わっちゃって百面相じゃないですか。そんなに可愛いと抱きしめたくなる。それ、反則技ですよ?」
「ふひゃっ」
城ヶ崎君に真正面からふわっと抱きしめられて、変な声が出るわ体の力は抜けるわで頭はぽわわんとしてくる。
とくん、とくん……。
「野坂先輩、僕の部屋に来る?」
くすぐったい。
耳元で囁かれる甘い甘い誘惑。
急にトロンとしてた目が覚める。
頭ははっきり覚醒する。
「じょ、城ヶ崎君の部屋に? じょ、じょじょ冗談でしょ?」
「冗談じゃないよ、野坂先輩。同じ部屋の奴は今晩は職場恋愛中の彼女とカラオケでオールするって」
「ああ、そうですか。でもでもだけど、しか〜し! 私は軽々しくそんな社員旅行で同僚で後輩の男性社員の部屋にお泊まりとか……ムリっ!」
私は持ってたちっちゃなショルダーバッグから、部屋の鍵を出そうとする。
あれ?
ない?
あ、あ、同室の今田主任に預けたんだっけ。
さっき、今田主任から『茜音ちゃん先に寝るね〜、ごゆっくり♡』って携帯電話にメールが来てた。
どうしよう?
「野坂先輩? どうしたの?」
「うっかり鍵を今田主任に渡したままで出て来ちゃったから……」
城ヶ崎君がまた抱きしめてきて。
「ごめん、僕が誘ったせいだね。締め出されちゃったの? でもこれで先輩と一緒にいられる口実が出来て僕は嬉しいです」
「城ヶ崎君……。だってこんなのいけないことでしょう?」
「……僕がそんな風に思ってて。怒った、先輩?」
城ヶ崎君の匂い、温泉上がりの肌に浴衣がちょっと艶っぽい。
抱きしめられて埋もれて苦しいのに、嬉しい。
見上げて首元が見えて、城ヶ崎君の声が近くて直接響いて伝わってくる。
「……こんなとこでこんな風にしてるより、やっぱり僕の部屋に行きましょうか? 今田主任、電話も出ないみたいだし」
城ヶ崎君が電話を掛けてくれたけど、今田主任には繋がらない。
「どうしよう」
「大丈夫ですよ。寝るとこはあるんだし」
不可抗力とはいえ、城ヶ崎君の泊まる部屋にお邪魔することになってしまって、良いのか茜音〜!
お姫様抱っこはここでおしまい。
はあ〜なんだ、残念……。
残念……って私、思っちゃってるっ?
夢うつつで気持ち良かった、城ヶ崎君のお姫様抱っこ。
ぴたっとくっついてた城ヶ崎君があったかくて男らしくって。
城ヶ崎君の力強さが安心感をくれてる。
守られて甘やかされてとろとろに蕩けそうだった。
「おやすみ、先輩」
「きゃっ……」
城ヶ崎君からおでこに落とされる口づけが私の心にドキドキの熱をくれる。
帰りたくない、なあ。
もっと城ヶ崎君と一緒にいたい。
離れるのは……さびしい。
思わず城ヶ崎君の浴衣の袖をつまんでしまい、気づいてパッと手を離す。
「……あっ。ごめん」
「……先輩?」
心なしか、じっと見てくる城ヶ崎君の顔がにまにまクスクスと笑っているような。
夜中が近いから笑い声、控えめでこらえてる?
背の高い城ヶ崎君からの優しい視線が頭上から注がれて、くすぐったい。
……ドキドキ。
旅行マジックなのか、お酒のせい?
私、人恋しくって、城ヶ崎君が恋しい。
……城ヶ崎君からの温もりが欲しいの。
とか、なんたる恥ずかしいこと思っちゃってるの〜、私!
私がほっぺたを両手で抑えて悶えていると、城ヶ崎君が私の手首を掴んでくる。
「可愛い……。先輩、ころころ表情が変わっちゃって百面相じゃないですか。そんなに可愛いと抱きしめたくなる。それ、反則技ですよ?」
「ふひゃっ」
城ヶ崎君に真正面からふわっと抱きしめられて、変な声が出るわ体の力は抜けるわで頭はぽわわんとしてくる。
とくん、とくん……。
「野坂先輩、僕の部屋に来る?」
くすぐったい。
耳元で囁かれる甘い甘い誘惑。
急にトロンとしてた目が覚める。
頭ははっきり覚醒する。
「じょ、城ヶ崎君の部屋に? じょ、じょじょ冗談でしょ?」
「冗談じゃないよ、野坂先輩。同じ部屋の奴は今晩は職場恋愛中の彼女とカラオケでオールするって」
「ああ、そうですか。でもでもだけど、しか〜し! 私は軽々しくそんな社員旅行で同僚で後輩の男性社員の部屋にお泊まりとか……ムリっ!」
私は持ってたちっちゃなショルダーバッグから、部屋の鍵を出そうとする。
あれ?
ない?
あ、あ、同室の今田主任に預けたんだっけ。
さっき、今田主任から『茜音ちゃん先に寝るね〜、ごゆっくり♡』って携帯電話にメールが来てた。
どうしよう?
「野坂先輩? どうしたの?」
「うっかり鍵を今田主任に渡したままで出て来ちゃったから……」
城ヶ崎君がまた抱きしめてきて。
「ごめん、僕が誘ったせいだね。締め出されちゃったの? でもこれで先輩と一緒にいられる口実が出来て僕は嬉しいです」
「城ヶ崎君……。だってこんなのいけないことでしょう?」
「……僕がそんな風に思ってて。怒った、先輩?」
城ヶ崎君の匂い、温泉上がりの肌に浴衣がちょっと艶っぽい。
抱きしめられて埋もれて苦しいのに、嬉しい。
見上げて首元が見えて、城ヶ崎君の声が近くて直接響いて伝わってくる。
「……こんなとこでこんな風にしてるより、やっぱり僕の部屋に行きましょうか? 今田主任、電話も出ないみたいだし」
城ヶ崎君が電話を掛けてくれたけど、今田主任には繋がらない。
「どうしよう」
「大丈夫ですよ。寝るとこはあるんだし」
不可抗力とはいえ、城ヶ崎君の泊まる部屋にお邪魔することになってしまって、良いのか茜音〜!