月へとのばす指
ゆっくりと、入口近くまで幹を引き戻す。それだけでも、唯花は目を閉じてふるふると体を震わせた。その反応があまりにも可愛らしくて、胸がいっぱいになってくる。
そして再び、腰を前に突き入れていく。先端が子宮口に当たるのと、彼女が「あっ」と声を上げるのは同時だった。
途端にまた、熱くなった膣壁と入口に、全体が締め付けられる。その熱とうねりの心地よさに、理性が飛びそうなほどに感じてしまう。
「は……っ」
快感の嘆息をこぼして、さらに腰を動かした。がっつきそうになるのを必死にこらえて、なるべく緩やかに。だが確実に唯花の奥を刺激するべく、彼女のほっそりとした両足を持ち上げ、深く折った。
「は、あぁっ、あぁ!」
唯花が背を反らして喘ぐ。くちゅり、と水音を立てる結合部分から、新たに生まれた蜜が外へと伝い落ちていくのがわかる。
ますます熱く絡みついてくる膣壁の圧力を、もっと感じたくてたまらなかった。気づくと久樹は、責め立てるような動きで、唯花の中を擦り、突き上げていた。
「ひゃ、やぁ、あぅっ」
悲鳴のような彼女の声に、申し訳ないと思いながらも、止めることができない。
「悪、い、止められない──気持ちいいよ唯花、っ……」
「ひぁぁっ、あ、んぅっ、やぁぁっ……」
「唯花──俺を感じて、もっと」
衝動のままに、折り曲げた彼女の足を腰ごと持ち上げた。ずん、と根元のさらに下まで幹が埋まり、雁首が最奥に擦り付けられる。
「あぁぁんぁぁぁっ!」
甲高い叫びを上げ、唯花が全身を痙攣させた。
「ゆいか、唯花……っ」
名前を呼びながら、久樹は腰を打ち付ける。精一杯に身をよじる彼女の、揺れる胸に顔を近づけ、乳首を吸い上げた。
「ひぁん、はぁぁっ、あぁぁん!」
唯花の喉から、明らかに感じている声音の喘ぎが出る。
「気持ちいい? 唯花」
「あ、あぁっ……い、あっ、いいっ」
「ちゃんと、気持ちいいって、言って」
「あ、んぁっ、きもち、いい……ふじしろさ、ん」
「なまえ、っ、名前で呼んで、ゆいか」
懇願すると、唯花は喘ぎを繰り返しながら、懸命に口にした。
「あぁっ、あ、ひさ、きさ……久樹さん」
初めて呼ばれた名前の、甘すぎる響きに、この上ない幸福を感じた。全身を支配する快感と相まって、頭がどうにかなってしまいそうだ。