その物語のタイトルはいま君の掌の中に
──ピロンッ
そばに置いていたスマホがLINEメッセージを告げる。タオルで手を拭いて確認すれば、蒼からメッセージが届いていた。初めて届いた蒼のLINEはそっけないが、他人行儀でもない。
──『昼食べた?』
私はすぐに返事を送る。
『食べたよ』
──『昨日の海からすぐの三角公園までこれる?』
三角公園とは砂場が三角形になっていることから地元の子供達からはそう呼ばれている小さな公園だ。
『昨日借りたシャツいま洗ってて、乾かしてからでもいい?』
今日は曇り予報だが、今なら日差しが出ている為、一時間ほどあれば蒼のシャツは乾きそうだ。
──『洗わなくて良かったのに。昨日言えば良かったな。シャツ急がないから二十分後三角公園な』
「二十分っ!……えっと……」
私は自分の姿を見た。まだスウェット姿だ。
蒼に『三十分後にして』と送ると、慌てて二階の自室のクローゼット目掛けて駆け出した。
そばに置いていたスマホがLINEメッセージを告げる。タオルで手を拭いて確認すれば、蒼からメッセージが届いていた。初めて届いた蒼のLINEはそっけないが、他人行儀でもない。
──『昼食べた?』
私はすぐに返事を送る。
『食べたよ』
──『昨日の海からすぐの三角公園までこれる?』
三角公園とは砂場が三角形になっていることから地元の子供達からはそう呼ばれている小さな公園だ。
『昨日借りたシャツいま洗ってて、乾かしてからでもいい?』
今日は曇り予報だが、今なら日差しが出ている為、一時間ほどあれば蒼のシャツは乾きそうだ。
──『洗わなくて良かったのに。昨日言えば良かったな。シャツ急がないから二十分後三角公園な』
「二十分っ!……えっと……」
私は自分の姿を見た。まだスウェット姿だ。
蒼に『三十分後にして』と送ると、慌てて二階の自室のクローゼット目掛けて駆け出した。