【完結】完璧上司の裏の顔 オタクなコスプレ配信者♀、実はファンだった上司に溺愛求婚される
「ど、どうしてその名を?」
「何度も通話したじゃない。高倉さん、酔っぱらって、泣いたり脱いだりして随分心配したよ」
「俺のこと好きって言ってくれて嬉しかった」
「それは田吾作さんで、井村さんではありません」
「俺は田吾作であり、井村でもある。ゆえに君の好きな人は俺である」

 禅問答みたいになってきた。
 なによりいつもと違う押しの強さ。絶対に折れないという意思を感じた。

「あのぅ……私、知らなかったので全部ナシにしてください。バイトもやめるので」
「無理。こんなエロい体見せつけながら、好きですって連呼されて、忘れられるはずないでしょ。責任取らせるから」


 確かに通話したあと、朝起きたら全裸だったこともあるが、まさかそんな──。

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