【完結】完璧上司の裏の顔 オタクなコスプレ配信者♀、実はファンだった上司に溺愛求婚される
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久々の出社で疲れた。でもやめることにしてスッキリした。
結局、井村が千紗を夜まで離したがらず、だらだら部屋に居座ってしまった。バイトもやめ、動画の配信も休んでいるけれど、自宅の売却準備のため、色々処分しに帰ってきたはずだが、心地よい温もりから離れられずにいた。
翌日、実家を整理すると言うと、井村がついてきた。
自分の荷物はともかく、父の部屋を整理するのは辛かった。
「このアニメ、お父さんが好きで何度もDVD見たなぁ」
「うん。俺も千紗ちゃんから聞いて見たよ。面白かった」
「この部屋でお父さんが仕事してる隣でパソコン使って動画とか見てたんです。歌ってみたとか、踊ってみたとか、演奏してみたとか。お父さんもちょっと動画を出してて──全然人気はなかったけど楽しそうでした。まさか自分も動画を出すとは夢にも思わなかったけど」
「へぇ。きっとお父さんから才能受け継いだんだろうね」