【完結】完璧上司の裏の顔 オタクなコスプレ配信者♀、実はファンだった上司に溺愛求婚される

「これからどうするの?」
「最後の動画上げるまでは東京にいます」

 そう言うと、一瞬井村は黙り込んだ。

「それって……しばらくしたら出ていくってこと?」
「はい。母が心配なので北海道へ行きます」 
「なら仕方がないよな……。機材とか実家だよね。ちょっと一人にするのは心配だから作業する時はついていってもいい?」
「はい」

 その日から千紗は最後の動画を作るための作業に取り掛かった。
 サムネイルのデザインから編曲、音源作成、撮影、編集作業まで一人でやっているので、無駄に色々なスキルは身についている。
 仕事をやめたこともあり、一日中作業に没頭し、寝食を忘れてしまい、気づくと井村の作ったご飯が隣に置いてあったりした。

「美味しい。このまま餌付けされてしまいそう。第二のお袋の味。世界が明日終わるなら井村さんのお味噌汁を飲みたい」
  
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