【完結】完璧上司の裏の顔 オタクなコスプレ配信者♀、実はファンだった上司に溺愛求婚される
図星を刺されて、グサッと来る。自分だけが知っている千紗。一人占めしたかったこの想い。
「部長はなんつーか優しすぎるんで、たまには強引にかっさらうくらいがいいかと」
「それができたらいいんだけどねぇ」
本当を言えば、千紗を自分のところに置いて、誰の目にも触れさせたくない。自分本位な独占欲。
物分かりのいい大人の振りをしても、不安で仕方がないのだった。
そんな自分を悟られたくなくて、クールダウンするため連絡も減らしている。
もしかしてこのまま終わるんじゃないかという不安もある。
自分の強引な誘いに付き合ってくれているだけで、千紗にとって自分は必要ではないのかもしれないとか──要するに女々しい考えが浮かぶ。
「そういえば、部長が取り組んでるプロジェクトの話は高倉さん知ってるんですか」
「いや、これから」
「今も遠距離だけど、もっと離れますもんねぇ……」
「…………おいおい話すよ」
オフィスから空を見上げ、千紗と一緒に見た星を思い出す。