【完結】完璧上司の裏の顔 オタクなコスプレ配信者♀、実はファンだった上司に溺愛求婚される

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　ほどなくして、井村が東京の自宅に戻ってきた千紗の母のもとを訪れ、結婚の挨拶をした。
　その後、3人で一緒に千紗の父のお墓を訪れた。お墓の前で千紗を幸せにすると誓ってくれた姿を見てじんと来た。
　こんな未来があるなんて想像できなかった。
　きっとこれからも色々困難なことはあるんだろうけれど、この人と一緒ならきっと大丈夫だろうと、そう思えた。
　
　今日は母が用意した赤い振袖を着て、料亭にて井村家との結納をとりおこなう日だった。

「入院してて、成人式の着物も用意してあげられなかったから……」
「それはいいんだけどさ……井村さんの親に『うちの息子にはふさわしくないざます』とか言われたらどうしよう」
「変なドラマの見過ぎよ。私もまだ会ったことないけど、電話の感じだと穏やかそうな感じじゃないの」
「そうなんだけど、粗相をしたらどうしよう。間違えて井村さんのお父様の顔にお茶ぶっかけたり」
「落ち着いて。普通に考えたらありえないから」