【完結】完璧上司の裏の顔 オタクなコスプレ配信者♀、実はファンだった上司に溺愛求婚される
「やっぱり井村さんは運がいいんですよね。いい風を呼び寄せるというか。不運続きの私も付き合ってから運気UPしてるし」
「そうかな。そうだといいけど」
「あと……今日通知が来て、試験受かりました」
「おめでとう。受かるとおもったよ」
高校を途中でやめた千紗だったが、こちらの音楽専門学校に通えることになった。語学がかなりネックだったが、井村に毎晩教わりなんとか合格できた。
「あと、お正月に帰国したらまたアイさんとコラボすることになって。キューピッド役したんだからそれくらいしてよねって言われました」
「お世話になったからなぁ。アイさんと千紗ちゃんなら、タイプ違うから引き立て合えるしいいんじゃないかな」
「楽しみなことが増えちゃってなんだか忙しい……。前は貧乏暇なしって感じの忙しさだったけど今は充実してます。この世に希望なんてありはしないって気分の時もあったのに、なんでか今は世界は光に満ちているような気がします」
「そうか。よかった」
「あっ、見て花火」
と
千紗は立ち上がり、バルコニーに手をかけて夜空を見上げた。轟音とともに夜空に色とりどりの大輪の花が咲く。
遠くから歓声が湧きおこるのが聞こえた。普段の夜景とはまた一味違う楽しさがあった。