【完結】完璧上司の裏の顔 オタクなコスプレ配信者♀、実はファンだった上司に溺愛求婚される

八章 悩める上司の恋煩い

「偽善者か……グサっと来たな」

　千紗との通話を終え、田吾作──つまり井村聖はため息をついた。しかも名前までディスられた。もっと親には彼女の好きそうな名前をつけてもらうべきだった。
　
　パソコンの画面を開き、千紗ことタマのSNSをチェックする。
　数か月前から万年寝太郎というユーザーが千紗に卑猥で攻撃的なコメントをしているので、動向を調査していた。
　千紗は会社では有能だが、ネット知識には疎くて色々セキュリティ面が甘かった。
　毎回千紗が動画を上げるたび、画面に身元特定する情報がないか確認していた。以前胸ポロリをやらかした画像はまだネット上に残っているし、心配でたまらない。