聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
ダメだ…これ以上話してたら話がややこしくなっちゃう…!
「も、もう行きましょうっ…?お母さんたちも心配しちゃうので…。ね、あーちゃん?」
「えぇ!もっとこの2人と話したいよ…!お姉ちゃんだけズルい!!」
「そ、そんなこと言われても…」
ぷくっと顔を膨らませて駄々をこねるあーちゃんを、なんとかなだめようとする。
ここで言っておきますが、あーちゃんはかなりの面食いなんです。
部屋にはアイドルのポスターやアニメキャラクターのグッズがたくさんあって、どうやら『推し事』というのをする事にハマっているらしい。
だからきっと、紫呉さんと斗真さんのことを同じように見ているのだろう。
目が本気だ。
うーん…でも、ほんとに帰らないといけないし…。
どうすれば納得してもらえるかなぁ…と悩んでいたら、紫呉さんがあーちゃんの目線に合わせて屈んでにこりと優しく微笑んだ。