聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
「それでは行きましょう。斗真、先帰ってますから」
「りょーかい!じゃあ翠ちゃんあーちゃん、またね!」
あっ!私、まだ斗真さんにお礼言ってない!
斗真さんに手を振られて、私はガバッと頭を深く下げる。
「斗真さんもありがとうございましたっ…!いつか必ず、お礼させてください!」
「あははっ、うん!ありがとー!」
斗真さんはこの場にそぐわないキラキラした笑顔を向けながら、指でVを作った。
…本当、私が思ってた暴走族のイメージと違いすぎる。
紫呉さんたちが特殊なだけであるということはわかっていても、思わずにはいられない。
そんなやり取りをしてから、私とあーちゃんを送ってくれた紫呉さん。
本来ならバイクに乗った方が早いけど、3人だったから紫呉さんはバイクを押して歩く羽目に。
「すみません、面倒くさいですよね…」
申し訳なくて謝ると、私の眉と眉の間をツンと指でつつかれた。