聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
「あの爆イケ総長と付き合えたの!?おめで…んぐぅ?!」
「さ、彩那ちゃん声が大きいよっ…!!」
階段の踊り場に響く彩那ちゃんの大きな声に驚いて、思わず手で口を塞ぐ。
「ご、ごめんごめん…ちょっと興奮しすぎちゃって…」
頬をかく彩那ちゃんは、バツが悪そうに謝った。
あの後学校に着いてから教室に入ると、彩那ちゃんが私の元に駆け寄ってきて。
『昨日はどうだった!?』
私に期待の眼差しを向けながらそう言った。
それから直ぐにここに来て、つい今さっき報告し終えたところ。
あーちゃんが危ない目にあった話は、一応伏ておいた。
あまり心配させたくないもんね。
形だけのお付き合いということはしっかり伝えられたけど、ちゃんと聞いていたのかは怪しいところ。
付き合うことになった、という部分だけが切り取られているような気がしてならない。