聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

いきなり彩那ちゃんが真剣になって聞いてきたから、ちょっとびっくり。



それに、ちょうど今朝悩んでいたことを話したいって思ってたから尚更。



「彩那ちゃんすごい…!なんでわかったの?」



不思議に思って聞いてみると、「それはわかるよ!」と笑顔で返された。



「だって翠、顔に書いてあるもん。悩んでます〜って」



「そ、そうなんだ…?」



うーん…顔に出やすいってこと…なのかな?



とりあえず今は彩那ちゃんの言葉に甘えて、紫呉さんの連絡先を知りたいけど、どうしようか迷っていると話した。



「え、普通に聞いちゃえばいいのに」



「う……」



彩那ちゃんに真顔で言われて言葉に詰まる。



やっぱりみんなは、私みたいに躊躇ったりしないんだ…。



なんだか自分が弱い人間みたいに思えてきて、ちょっと悲しくなってきた。
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