聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

そこまで言ったところで、ハッとした。



っ、私、今何言おうとしてるの…？



慌てて出そうになった言葉飲み込み、違う言葉を探す。



でも、紫呉さんに対する気持ちをあの一言以外で伝えられない。



どう、しよう……。



言葉に詰まって紫呉さんの顔が見れなくなり、思わず下を向いてしまった。



すると、酷く優しい声で｢翠｣と呼ばれてもう一度見上げる。



｢…大丈夫です。もう充分伝わりましたから｣



そこには、愛おしいものを見つめるような目で私に微笑みかける紫呉さんがいた。



｢随分と弱音を吐いてしまいましたね。情けないです。でも…翠にそう言ってもらえて、嬉しかった。ありがとうございます｣



苦笑してから、また柔らかい笑みに戻る。



その一連の表情の変化が、私の胸を高鳴らせて止まない。