聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

なんて返せばいいかわからなくて、口をつむぐことしかできないでいると。



「翠、今から出かけませんか?」



「へっ…?」



急にそんなことを提案されて、思わず間抜けな声が出てしまった。



「で、出かけるってどこに……」



「こういう時は気分転換が必要です。さぁ、行きますよ」



「あっ、ちょっと紫呉さん…!」



私の返事を聞かず、手を取って歩き出した紫呉さん。



だから、どこに行くんですか…!?



行先もわからぬまま、紫呉さんについて行くしかないのでした。
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