聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

急いで目を逸らして、苦しまぎれの言い逃れ。



でも、紫呉さんは許してくれそうにない。



「なんでもないって言う割には目が泳いでますが?」



「っ〜!!す、すみませんでした…」



私が謝ると、紫呉さんはくすくす笑って微笑んだ。



うぅ…恥ずかしい…。



見とれていたこと、絶対バレちゃってるよね…。



こんなに紫呉さんの美形に慣れないのは、自分でもさすがにどうかと思う。



でも、慣れようと思ってそんな簡単にできていたら苦労なんかしてない。



「翠になら、いくらでも見てもらって構いませんよ?」



「えっ、?」



「その代わり、俺も翠のことを溶かす勢いで見ますから」



「っ!!」



紫呉さんの色んな表情を垣間見る度に、どんどん好きになっていく。
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