聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

正直に話すと、途端にぶわっと顔が沸騰したみたいに熱くなって。



このお店に人が誰もいなくてよかったって、本気で思った。



だって、もしこんな顔を見られていたら…。



「ぅ…も、やだ…死んじゃう…」



恥ずかしいが限界突破をして、きっと死んでしまっていたことでしょう。



「…っ翠、それは本当にまず───」



紫呉さんに酷く赤面した姿を見られてしまったことの羞恥心が高まって、紫呉さんの胸に顔を埋めたとき。



「おーい、そこの高校生活カップル。イチャつくんなら店の外でやれよー?」



えっ……?



どこからとなく聞こえた男性の声。



この前あーちゃんが攫われた時の次くらいに素早く身体が動いて、咄嗟に紫呉さんから距離を取った。



さっきまでいあんなに熱くて真っ赤であっただろう顔も、今は真っ青になっているに違いない。
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