聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
口には出さないけど、そんなことを思ってしまう。
「じ、仁さんが高校生の時はどんな感じだったんですか…?気になりますっ…!」
紫呉さんが仁さんをじろりと睨んでいたため、とりあえず空気を変えようと話題を振った。
だけど、「あ〜…」と困ったように頭をかきながら天井に視線を逸らした。
「…やんちゃしてたな」
「やんちゃ……?」
仁さんらしくない濁した言葉が返ってきて、ついオウム返しをしてしまった。
言いにくそうにしつつも、そのまま続けて答えてくれた。
「まぁ、なんてゆーか…あ、紫呉と一緒だって言えばいいのか?」
「紫呉さんと一緒……って、えっ!?」
仁さんから告げられたのは、信じられない衝撃の事実。
だって、紫呉さんと一緒ってことは…。
「仁さんは…総長、だったんですか……?」
恐る恐る聞いてみると、仁さんは苦笑しながら首を縦に振った。