聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
そんな私に驚いたのか、紫呉さんも「…そうですね」と落ち着きを取り戻す。
「お茶を入れます。ゆっくり説明しますから、よく聞いてください」
紫呉さんはそう言ってティーカップにお湯を注ぎ、棚からお菓子を取りだした。
「はい、ありがとうございます」
ふぅ…ようやく本題に入れそう。
私も一息ついて入れてもらった紅茶をひと口すする。
……そういえばお砂糖が入ってない。
いつも甘い紅茶ばかり飲む子供舌の私には、ストレートティーが苦く感じてしまった。
入れてもらった手前、さすがに砂糖の要求は出来ないので。
「お、美味しいお茶…ですね」
苦味を堪えて笑顔を作ると、紫呉さんはパッと顔を明るくして微笑んだ。
「そうでしょう。俺オススメのダージリンです。ここの連中はまず飲みませんけど」