聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
蓮見先輩に告白されたこと、そしてその蓮見先輩からゼラニウムの香りがしたことを。
それでもし嫌われてしまったら…と考えるだけでも、怖くてたまらなくなる。
だけど……紫呉さんに嘘をつく方がもっともっと嫌だから、きちんと話そう。
「…紫呉、さん」
「ん…?どうしました?」
目を細めて私の顔を覗き込む紫呉さんに、胸がきゅんと鳴った。
それは、さっきまでの気分が悪さが徐々に良くなってきている証拠。
…やっぱり、私は紫呉さんのことが大好き。
まだまだ言うには勇気がないけど、いつかは貴方に伝えたい。
「もう大丈夫です、ありがとうございます」
私も紫呉さんの目を真っ直ぐに見て、なるべく笑顔でそう言った。
「ごめんなさい」って言ったとき、紫呉さんはとても苦しそうに顔を歪めていたけれど。