聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
甘ったるい王子様
紫呉さんと香水屋さんに行った次の日。
「あ、翠おはよー!昨日はあれから大丈夫だった?」
「おはよう彩那ちゃん。私は大丈夫…!」
体調も回復し、無事に登校することができた。
今ちょうど教室に着いて、彩那ちゃんが少し不安そうな顔で私をじぃっと見てきたから、なるべく平然を装って「ありがとう」と付け加える。
昨日あったことや気づいてしまったこと諸々は、とりあえず彩那ちゃんには黙っておくことにした。
あまり余計な心配はさせたくないというのもあるけれど、まだ蓮見先輩が『Radical』のメンバーだという確証はないというのも一つの理由。
確証が持てないからこそ、他の誰かに蓮見先輩を悪く言うのはしたくないし…。
でも…もし蓮見先輩が危険人物だとわかった時には、すぐに伝えて彩那ちゃんを遠ざけないと。
私のせいで彩那ちゃんを巻き込むことは絶対に許されない。