聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
今いる場所はかなり人気がない裏路地で、人っ子一人いなさそう。
本当にここで合ってる…?って思いながら進んできたから、途中で引き返せばよかったかもしれない。
今さら後悔してます。
帰り道も分からなければ、スマホの電源も切れているという絶望的な状況。
しばらく途方に暮れていたその時…
「オイ!!引き返すぞ!!」
「ちっ、タイミング悪ぃな…!!」
後ろから焦ったような怒声が聞こえて、体がビクッと跳ねる。
な、何事……!?
「お前もっと早く走れ!!ってうわっ!?」
─────ドンッ
後ろを振り返る暇もなく、体に鈍い痛みが走った。
ただわかるのは、今自分が地面にころがっていて。
「っぅ…痛た…うぅ…もうやだぁっ…」