聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

とても可愛い天使みたいな子で、幼稚園の頃に近所の公園で日が暮れるまで遊んだ。



名前は知らなかった…というより、覚えていないだけかもしれないけど。



一人で遊んでいる時にたまに合う子で、その度に遊ぶ機会が増えていった。



でも、ある日その子が引っ越しをすることになってしまった。



もう一緒には遊べないけど、でもまた絶対に会いに来る。



『ぜったいぜったい、また迎えに来るよ。だから……』



最後、あの子がなんて言おうとしていたのか思い出せないけれど…それでも、その言葉だけは覚えていて。



今、蓮見先輩から言われたとよく似ている。



…そういえば一度だけ、あの子のお母さんみたいな人が迎えに来た時、名前を呼んでいたような…。




『ハルちゃん、帰りましょう?』




……はるちゃん、だ。



あの子の名前は、ハルちゃん。



…蓮見先輩の、名前は?


なんで蓮見先輩の名前が気になったのかなんて、わからない。
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