聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
私が守りたいもの
「っ…ほ、本当にハルちゃん…?」
「うん」
「ほんとのほんとにっ…?」
「あははっ、信用してないね?その顔は。本当だよ。それとも…嘘だって思いたい?」
ぜんぜん、信じられないよ……。
それに、そもそもハルちゃんは女の子。
いくら蓮見先輩とハルちゃんに共通するものが多いからって、さすがに性別が違う人が同一人物だとは到底思えない。
「は、ハルちゃんは女の子です。でも、蓮見先輩は違います…よね?」
だから疑問に思ったことを尋ねると、先輩はあっけらかんと答えた。
「あぁ…あれは母親の趣味なんだ」
「……へ?」
私はぽかんと口を開けて、開いた口が塞がらないという状況に陥る。
お、お母さんの……趣味?
理解が追いつかず、脳の処理に時間がかかってしまう。
「もともと母親は女の子が良かったらしいんだけど……ほら、僕が産まれちゃったでしょ?でもしょうがないことだからって諦めてたんだけど、僕が思った以上に可愛いかったから女の子っぽい服装をさせてたんだって」