聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

「わ、わかりました…」



この人、口調は丁寧なのにところどころ汚い言葉も混じってるんだよね…。



なのに、全く汚さを感じさせないところがすごい。



それも彼が『総長』だからなのだろうか。



「つまらないことばかりしている愚か者の集団ですが…愚かだからこそ“危ない”」



「だからこそ…?」



なんかちょっと難しい…。



「えぇ。頭の悪い人間や愚鈍な人間は、俺たちが考えもしないことをやってのけようとするものです。翠が巻き込まれる形になってしまったのも、それが原因でしょう」



うーん…それはなんとなくわかる気もするけど。



「…あの人たちは、何をしようとしてたんですか?」



結局何が言いたいのかが、あまりわからないんだよね。



だからそう尋ねると、紫呉さんは真剣な表情で見てきた。
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