聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

そして、極めつけの一言。



「『Nova』んとこお姫様になるには、もったいなさすぎる」



背筋がゾクリと、凍った気がした。



「っ…!?!」



なっ…なんで、私の正体がバレて…っ!?



呼吸が忙しい。



バクバクバクバク、うるさいくらいに鼓動が耳につく。



冷や汗が流れ、「逃げて」と全身が叫んでいるのにピクリとも動かない。



「最近、Novaの総長に女ができたとか言うから調べさせてはいたけど…よりにもよって春風さんだったとはね。春風さんも男を見る目がないなぁ…。あんな奴のどこがいいんだか、僕には計り知れないよ」



この人は、だれ………?



呆れたふうに肩をすくめる彼が、さっきまで悲しそうにしていた蓮見先輩にはまるで見えなくて。



「今日の放課後、春風さんの時間をちょうだい。この意味…優しい君ならわかるでしょ?」



「っ…は、い…」



頷いてしまった。
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