聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
「っわ…?!」
すると突然、蓮見先輩に肩を抱かれてグイッと抱き寄せられて。
「…君たちさ、あんまり彼女のこと見ないでくれる?この子は僕の大事な子なの。あんまり見ると減っちゃうでしょ」
蓮見先輩の普段より低い声が響き渡り、他のメンバーたちの表情が凍った。
「「「す、すみませんっした!!!」」」
そんな声と共に即座に全員の頭が下がり、それは深く深く下げられる。
こ、こういうのはどこの暴走族も一緒なのかな…。
紫呉さん率いる『Nova』のメンバーたちもかなり凄かったけれど、『Radical』も同じなのかもしれない。
「わかってくれればいいんだよ。それじゃあ、僕は上にいるから」
「「「はい!!!」」」
ほ、本当に声量がすごい…っ…。
応援団…?と思っちゃうくらいには、声の揃え方と力がまるで違う。
「翠ちゃん、こっちこっち。ちゃんと着いてきてよ?」
「っ、は、はい…」
そんな彼らとは反対に、私の声は今にも消え入りそうな小ささ。