聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

「っわ…?!」



すると突然、蓮見先輩に肩を抱かれてグイッと抱き寄せられて。



「…君たちさ、あんまり彼女のこと見ないでくれる?この子は僕の大事な子なの。あんまり見ると減っちゃうでしょ」



蓮見先輩の普段より低い声が響き渡り、他のメンバーたちの表情が凍った。



「「「す、すみませんっした!!!」」」



そんな声と共に即座に全員の頭が下がり、それは深く深く下げられる。



こ、こういうのはどこの暴走族も一緒なのかな…。



紫呉さん率いる『Nova』のメンバーたちもかなり凄かったけれど、『Radical』も同じなのかもしれない。



「わかってくれればいいんだよ。それじゃあ、僕は上にいるから」



「「「はい!!!」」」



ほ、本当に声量がすごい…っ…。



応援団…?と思っちゃうくらいには、声の揃え方と力がまるで違う。



「翠ちゃん、こっちこっち。ちゃんと着いてきてよ?」



「っ、は、はい…」



そんな彼らとは反対に、私の声は今にも消え入りそうな小ささ。
< 224 / 326 >

この作品をシェア

pagetop