聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
「…どう?すごいでしょ、コレ。特注で作らせたんだけど、なかなかの出来栄えじゃない?」
私が目にしたもの。
それは………。
「ろう、や………?」
映画やドラマでしか見た事のない鉄格子が、そこにはあった。
「あははっ、翠ちゃんの目まん丸。まぁ、普通は驚くよね」
蓮見先輩の笑みが、もはや悪魔の笑顔にしか見えてこない。
膝はガクガク震え、全身の血の気が引いていく。
う、そ……こんな、こんなことって現実にあるの…っ?
今から自分がどうなるかなんて、いとも簡単に想像がついてしまう。
「さ、翠ちゃんのためだけの牢屋だよ。これからは僕が、ここで一生翠ちゃんを可愛がってあげる。誰の目にも触れないようなこの檻の中で、僕だけの翠ちゃんでいて?」
「っひ…やめ、て…っ。近、づかないでっ…」
ハッとした時には、既に蓮見先輩が私のすぐ横にいて距離を取ろうとするけれど。