聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
「斗真、翠の様子はどうです…って、あれ。翠、もう起きてたんですね」
「っ!?」
まだ呆然としていたら、いつの間にか部屋に紫呉さんが入ってきていた。
お風呂に入っていたからか綺麗な黒髪がまだ少し濡れていて、いつもより色っぽさが増幅されている。
ただでさえ紫呉さんは何もしなくてもカッコイイのに、お風呂上がりなんて反則じゃないですか。
「んじゃ、紫呉が戻ってきたし俺は自分の部屋戻るね」
「えっ…」
隣に座っていた斗真さんが立ち上がり、私の頭にぽんと手を置いてからそばを離れた。
も、もう行っちゃうの…?
そしたら、私と紫呉さんの二人っきりになっちゃう…よね?
紫呉さんの部屋に二人きりとか、私の心臓が耐えれるとは到底思えない。
っど、ドキドキしてきた……。
今日の私の感情は、ジェットコースター並に忙しくて大変。